心の自傷行為

今回は心の自傷行為について書いていきたいと思います。

これまで心理カウンセラーとして多くの心理相談を受けていますが、悩み過ぎている人の心理相談には自傷行為の話はよくでてきます。
一般的に自傷行為は痛みや身体の表面の損傷を生じさせることです。
私はその自傷行為のお話を聴いて、一方的に「やってはいけない」ということはしないようにしています。
クライアントの悩みは人には理解しきれないくらい大きくなり、その行為をすることで安心感を得ている人も多いからです。
その行為を止めてしまうことでもっと大きな行為になることも十分考えられます。
自傷行為も人によって様々な原因があります。
表面的なアプローチをしたとしても、一時的な効果しかなくまた元に戻ることが考えられます。
そのため問題は自傷行為ではなく、自傷行為をしないと安心感を得られない原因を一緒に考え、サポートしていくことを意識するようにしています。

身体の自傷行為は自分でも意識できているのでしょうが、問題は心の自傷行為です。
心は身体と違い、表面的に傷がついて血が流れたり、痛みが感じにくいこともあり自分でも無意識に行ってしまいます。
具体的に心の自傷行為とはどんなものかというと、「自分が嫌い」や「何やってもうまくいかない」や「自分の存在がみんなに迷惑をかける」や「消えてしまいたい」といった自己否定をずっとやり続けることです。
人によっては、周りの人をわざと試すようなことをして嫌われるようにする人もいます。
誰でも失敗したときや期待通りに事が進まなかった時に考えそうなことですが、心が健康な人はずっとその自己否定を続けることはしません。
誰でも時には病気をしたり、怪我をしたりすることはありますよね。
しかし心が不健康になってくると自己否定を延々と続けてしまうのです。
身体と違い心を傷つけることは傷跡も残りませんし痛みも感じにくいですから、習慣化しやすくなります。
自分でも心の自傷行為に気付きにくいのですから、周りの人が気付くことは難しいでしょう。
そして余計に周りからの疎外感を感じ、更に心の自傷行為が悪化するという悪循環を繰り返します。

その心の自傷行為により、自分で自分を傷つけていることに気付くことが大切になります。
その後は、その考えを止めることです。
自己否定をすることで「やっぱり〇〇なんだ」と安心を感じているかもしれませんが、それは最悪の事態のとき傷つかないように自分の中で保険をかけているだけです。
安心を感じる方法は他にもあります。
勇気を持って自分に向き合い原因を理解し、自分に合った安心を感じる方法を考えていきませんか?

今このコラムを何気に読んでいる人の中に心の自傷行為に気付いていなかった人もいるかもしれません。
「自傷行為は自分に関係ない」と思っている人も心の自傷行為は身近にあると意識してみてくださいね。

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