叱ると怒る

今回は叱ると怒るについて書いていきたいと思います。

心理カウンセリングをしていると仕事での相談で「上司に怒られることが苦痛で会社を辞めたい」という内容や逆に部下に対して「どう叱っていいのかわからない」という相談がよくあります。
どちらの立場もネガティブなことなので受け取り辛かったり、言い辛かったりすることが多いようです。
今回は叱ると怒るについてもう一度考えてみたいと思います。

まず辞書で叱ると調べてみると相手の非を咎め、厳しく注意することとあります。
怒るを辞書で調べてみるとよくない言動を強く咎めるとあります。
どちらの意味もほぼ同じに見えます。
しかし怒るにはもう一つ意味が書いており、不満・不快なことがあって、我慢できない気持ちを表すとあります。
そう考えると怒るということは我慢できない感情をぶつけることが目的となります。
怒られた側も感情を一方的にぶつけられただけでは自分の言い分もあるでしょうから納得できるはずがありません。
怒ることの理由は自分本位になります。

それに対して叱ることは、感情をぶつけるのではなく相手の至らない点や改善すべき点を明確に示すことで相手の成長を促したり、次の改善に繋げるために注意をしたりすることになります。
叱ることの理由は相手本位になります。
つまり同じ厳しく注意をするとしても、注意をされている側のことを考えず自分本位なことを言うよりも、相手本位で考え次に繋がるような注意の仕方をすることが大切です。
叱る時のポイントとしては、叱る理由を明確にし、なぜ叱られているのかという事実に目を向けることができるように伝えることです。
また具体的にどうしたら良かったのかを伝えたり、話し合ったりすることで叱られる側も反省し次の改善に繋がるように考えることができるように持っていってあげるといいでしょう。

そして注意をされた側の人の姿勢も大切になります。
注意をしている相手の目的がどこにあるのかをしっかりと理解することです。
厳しく注意をされたからといって全てがあなたのことを否定したくて言ってくるばかりではないということです。
状況的に否定的なことを言われるわけですから、受け入れたくなかったり、認めたくなかったりするのは仕方ないと思います。しかし相手の目的が相手本位であなたのためにある場合、注意をされている内容を理解することで攻撃されているのではないと受け止める必要があります。
叱られるポイントとしては、最初から間違っていたことがわかっている場合は、最初に謝ることです。
自分の間違っていたことを反省していることを伝えることで、お互いの目的の一致にスムーズに移行することができるようになります。

またもし間違っていたことがわからず注意を受けている場合は、まずは一旦叱っている人の話を否定せず受け入れることです。そしてその中で相手の価値観と自分の価値観のズレがあった場合は、感情的にならず事実だけをみて質問することです。
お互いの認識が一致することでお互いに冷静に話ができるようになります。

相手に強く注意をするとき、注意をされるとき、お互いが何のためにネガティブの共有をするのかをもう一度意識し、目的の一致ができるようコミュニケーションを取ってみてくださいね。

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