カウンセリングの目的

今回はカウンセリングの目的について書いていきたいと思います。

私が心理カウンセラーとして意識していること、それは「カウンセリングの目的」です。
一般的に心理カウンセリングとは、相談者の悩みを傾聴し、心理カウンセラーとの対話の中で、頭の中や自分の考えを整理してもらうことを目的としています。
しかし私は心理カウンセリングの目的とは、「大切な心を健康にすること」を常に意識しています。

心理カウンセラーによっては、来談者中心療法という考えの中で傾聴を中心に行っている人も多いと思います。
また心理カウンセラーによっては傾聴をほどほどにし、アドバイスを中心に行う人もいると思います。
私からするとこれはどちらも正しいことであり、足りないところでもあると私は思います。

それは自分のスタイルの問題ではなく、クライアントの状態によるからです。
クライアントがまだ感情や気持ちが残りそこに拘りを持っている場合、いくら素晴らしいアドバイスをしたとしても先に進む準備ができていないので、納得できないものになります。
逆に感情や気持ちは既に消化し、この先どうしていけばいいか思考が未来に向いているので傾聴ばかりしていては満足感を得られません。
もちろんアドバイスをするにしても心理カウンセラーは占い師ではないため、ある程度の情報(クライアントの状況など)は必要不可欠です。
先に進めためには今何で立ち止まっているのかを理解し、その状況を元にアドバイスをするのです。
それは人によって傾聴を求めるのかアドバイスを求めるのかが変わることもありますが、重要なのは実はその人の状況によって変わります。

実際に最近相談した方で一番初めの心理カウンセリングで、「もう死ぬしかない」とひたすら泣きながら繰り返すクライアントがいました。
その状態のクライアントにいくらアドバイスを送ったとしても受け入れてくれるわけがありません。
そのためひたすら傾聴に努め、今自分の中にある感情や気持ちが残っているものを吐き出しながら、整理してもらいました。
最初の心理カウンセリングを行ったときは、考えや状況は何も変わっていませんが、自分を認めてもらえたという安心感から落ち着きを取り戻してもらえました。

その後何度か心理カウンセリングを行っていったのですが、いきなりアドバイスをするのではなく相手との会話の中でちょっとしたアドバイスを入れながら、相手の反応をしっかり観察しながら少しずつアドバイスの比重を増やしていきました。
そうすると本当にたった2週間であれほど「死にたい」と言っていたクライアントが悩んでいた自分を笑いながら話せるようになったのです。
それは大切な人が目の前にいて、その人が今何を求めているのかを意識し、自分のスタイルを押し付けるのではなく、クライアントの心がどうすれば健康に近づけるか意識しているからこその結果だと思います。

私は心理カウンセラーとしてクライアントの心が何を求めているかを感じ臨機応変に対応するように心がけています。

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