シンパシーとエンパシー
今回はシンパシーとエンパシーについて書いていきたいと思います。
日本語では共感という言葉がありますが、英語ではシンパシーとエンパシーとあります。
その2つの違いなのですがシンパシーを辞書で調べてみると同情、また共感、共鳴とあり、エンパシーを辞書で調べてみると感情移入、人の気持ちを思いやることとあります。
カウンセリングではこのシンパシーとエンパシーをその時々によってうまく使い分ける必要があります。
シンパシーとはクライアントの感情に共感、共鳴をしながらあくまでも第3者としての視点を持つことで、エンパシーとはクライアントの細かな背景やその時の心理状態など理解したうえで自分が体験したかのようにイメージしクライアントの立場での視点をもつことだと私は考えています。
それならエンパシーの方が相手の立場になり、共感してくれるのですからそっちの方が良いのではないかと考える人もいるかもしれませんが、カウンセラーがクライアントと同じ視点を持ってしまえば、周りが見えなくなり問題の本質を見逃すことに繋がります。
そこで大事になってくるのがシンパシーです。シンパシーであれば共感はするけど一歩引いた第3者の視点で冷静に問題を見ることができます。
例えば特に恋愛相談で多いのが「相手の気持ちがわからない」とか「相手の考えていることがわからない」から相談にのって欲しいということがよくあります。
そのような相談には、クライアントにどんな状況だったのか、相手の環境や性格はどうなのか、2人の関係性は依然と今の違いはあったのかなどできる限り話を聴かせていただきます。
そうすることでエンパシーにて相手の視点で物事を感じたことを伝えるようにしています。
また相談の中には悩みに集中し過ぎることで対して視野が狭くなり苦しみから抜け出せない人が多くいます。
その時に全てエンパシーで共感してしまうとクライアントと同じ心理状態や苦しみを持ってしまい、問題の本質を理解しない
ままただ時間が流れていきモヤモヤ感が残ったものになってしまいます。
そこではシンパシーといった視点の変化をさせることで視野を広げ、問題解決に対してアドバイスをすることができるようになるのです。
これはカウンセリングの場面だけでなく様々な面でも活用することができます。
クレームが起きた時も同じです。
クレームの内容を第3者の視点で聴いてしまえば相手からすると「会社として正論を言ってくれているんだろうけど自分の感
情をどう処理すればいいのか?」と感じてしまい納得いかないまま更に怒りが増長するか、もう二度と利用しないなんてことに繋がります。
大切なことはクレームとは相手の視点(エンパシー)で何を感じ、何を不満に思っているかを理解した上で自分たちにできることは何かを相手に共感(シンパシー)しながら解決策を考えていくことです。
皆さんも無意識に共感されていると思いますが、共感にも違いがあることを意識することで少しでも円滑なコミュニケーションが取れるようにしてみてくださいね。