信頼関係
今回は信頼関係について書いていきます。
カウンセリングをするときの基本で必ず出てくるのが信頼関係を築くことです。
信頼関係は専門用語でラポールと言われ、相談に来られた方が安心して話ができるようにラポールを深めることが第一段階と言われます。
しかしこれはカウンセラーだけが必要なものではありません。
信頼関係は相手とのコミュニケーションの中で無理のないお互いが安心できる環境を作ることです。
誰もが様々な社会に所属し、様々な人との関係があります。
その中で信頼関係があることにより安心感を持って生活できるということはマズローの欲求段階でも下位層で言われています。
まずマズローの欲求段階では一番下の下位層では生理的欲求で生きていくための基本的・本能的な欲求です。
この欲求がある程度満たされると次の段階層の安心・安全欲求へと上がるのです。
この安心・安全の欲求は本能的な欲求の次の段階ということですから、生きていくうえで基本的な欲求ということになります。
あなたがもし家族や恋人と、職場の方と、友達とお互い安心できない環境だとすればどういった生活になるでしょうか?
これは案外身近な問題でいつ誰がそのような環境に陥るかわかりません。
実際そういった信頼関係よりも自分の優劣や権威を主張しようとする人がいます。
それが家族や恋人であればモラハラだったり、職場であればパワハラだったり、友達であればイジメだったりします。
どうしても力の関係上逆らえない環境にいると我慢しかなくなります。
我慢を続けるということはストレスや不満を自分の中の風船にどんどん貯めていくようなことです。
その風船がいつまでも割れることなく貯め続けるということは難しいのではないでしょうか。
最近はそういったハラスメントやイジメは厳しい目で見られていますが、人の欲望がある限り自分のことを優先しようとした結果、自分でもそういった行為が相手を傷つけるということに気付かない人もいるかもしれません。
また気付いていても「このくらいなら大丈夫だ」と勝手に思い込んでいたり、「これまでやってきたことだから」という考えで相手を傷つけたりする人もいます。
先ほどのマズローの欲求段階からするとハラスメントやイジメをしている人は上の立場におり自分は安心・安全欲求はクリアしています。
そのため上の立場の人はもっと上の階層である承認欲求で他人から認められたい、尊敬されたいから間違った権威を振りかざしているのです。
お互いのことを考えると下の階層にいる人は信頼関係を築くことで安心・安全の欲求はクリアされ、また上にいる人は下の人を守る立場になることで下の人から認められ承認欲求をクリアされることになります。
つまりお互いが信頼関係を理解し深めることで、お互いが満足いく関係を手にすることができるのです。
信頼関係をあまり意識していない人も多いかもしれません。
信頼関係は言い換えれば相手をしっかりと理解することです。
しっかり理解しようとするためには、相手の言いたいことをしっかりと聴き、相手のことをしっかりと観て、相手の感情や考えを感じることです。
つまりは相手に関心を持つことです。
あなたは周りに関心を持つことはできていますか?
自分のことばかり関心を持っていませんか?
関心を持つ世界が少しでも広がることを期待しています。