平等と公平
今回は平等と公平について書いていきたいと思います。
一見同じような意味に取られがちですが、 実際にはそれぞれ違いがあります。
まず平等ですが辞書で調べてみると、「かたよりや差別がなくみな等しいこと。」 とあります。
そして公平を辞書で調べてみると、「全てのものを同じように扱うこと。判断や処理などがかたよっていないこと。」 とあります。
この2つの違いを読んでもいまひとつピンとこないかもしれません。
平等はみな等しいことであることから、一律で同じということになります。
例えばライブでチケットを購入する場合、大人であっても子どもであっても同じ一席の料金として扱われることが多いです。
それに対し、公平は相対的に同じ効果を与えられるように単位ごとに効果量を調整することです。
例えば美術館では、大人・学生・子どもの料金が違うなどです。
平等は全ての人を同様に扱いますが、 公平は個々の状況を配慮し別々に扱うことになります。
全く同じ条件であれば平等で構いませんが、この世の中には年齢も違えば体の大きさも違うし、体力的な面など全く同じ条件の人はおらず、様々な人で成り立っています。
因みに公平に似た言葉に公正という言葉もあります。
公正を辞書で調べてみると「偏りのないこと。」とあり、公正は「公平」でかつ正しいことをいい、正当性をはっきりさせたいような場合に用いることになります。
公平の面で考えると様々な障がいのあるアスリートたちが限界に挑むパラリンピックはよく考えられていると感じます。
障がいの種類や程度がそれぞれ違うのにクラス分けやポイント制度といった独自のルールを設けることで競技の公平性が保たれているのです。
パラリンピックを調べてみると、 国際パラリンピック委員会では四つの価値を重視しています。
その四つは、「勇気」「強い意志」 「インスピレーション」「公平」とあります。
公平についてですが公平には 「多様性を認め、創意工夫をすれば、誰もが同じスタートラインに立てることを気づかせる力」とあります。
多様性を認めるためには表層的な性別や年齢や人種や障がいの有無だけでなく、深層的なスキルや宗教や価値観などを含め考えていく必要があります。
SDGsでも達成の一環として人々の多様性を受け入れる社会の実現が求められています。
様々な条件下で単純に平等を考えることは簡単なことだと思いますが、不公平が起きることに繋がります。
不公平が起きないような世の中にするために、誰かに任せるだけでなく個人でも同じスタートラインに立てるためにどうすればいいのか創意工夫し考えていく必要が大切なのではないでしょうか?