段差

テレビでの話ですが、飲食店のコンサルタントが現在営業しているお店をチェックするという内容でした。
お店は綺麗な造りだったのですが、指摘している内容を観て納得するところがありました。

まずはテーブルの配置です。
テーブルの配置次第では他のグループのお客さんと視線が合ってしまうということです。
せっかくお店に来ているのですから、非日常空間に入りリラックスした時間を楽しむことができるよう工夫する必要があるとのことです。
そのためにはテーブルを同じ方向に向けるのではなく90度に向きを変えると視線は合いにくくなるということです。

この非日常空間をどう演出するかは他にもありますよね。
実際にこのコラム内でも書いたことがあると思いますが、Barでは時計がなかったりします。
そこにも時間を気にせず非日常君感を演出する工夫があるのです。
私がカウンセリングをする時はクライアントから時計が見えない位置に座ってもらうようにしています。

他に紹介されていたのは、段差です。テレビで出ていたお店はたった一段の段差でした。
せっかく1階にあるお店なのに、その一段の段差に無意識の抵抗を受け初めてのお客さんを遠ざけてしまうとのこと。
知らないお店に入るには勇気がいります。色々な人に来店して欲しいお店なら入りやすい工夫が必要ということです。

その段差で思い出したのですが、入り口に4段くらいの階段がある病院です。
もう古くからある病院だったのでそこまでの工夫はなかったのかもしれません。
しかしその時感じたことは、
「もしベビーカーや手押し車を押している人が来たらどうするのだろう?」
ということです。
もちろん病院ですから足の悪い人や、中には体調が悪くて歩くことがやっとの人もいるかもしれません。
やはりこの段差は慣れている人であれば問題ないかもしれませんが、初めての人や階段を昇るのが困難な人は避けてしまうような気がします。

逆にこの無意識をうまく利用しているお店の話も聞いたことがあります。
そこはお店に入るのにスロープをわざと造っているのです。
そのスロープは気が付かないほどの角度が付けられているそうです。
お店に入るときは僅かに上り坂で、逆にお店から出るときはその逆に僅かに下り坂。
そのお店から帰るときは何だか足取りが軽く気持ちよく歩けるということです。
そうなると、またそのお店に行きたいと無意識に思うことでしょう。

この何となくの無意識を考えると面白いアイディアもたくさん出てきそうですよね。

今年最後のコラムとなりましたが、来年もよろしくお願い致します。

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