自死Ⅱ
今回は自死について書いていきたいと思います。
自死に関してはこの心遣いアンテナでも過去に一度書いたことがあります。
一般的には自殺という言葉を使っていますがここでは自死(自ら死を決断)という言葉で表現させていただきます。
このコラムを書こうと考えたのは最近も芸能人の方の自死のニュースからです。
テレビでも活躍し、ニュースを見た時は「え!まさか!」最初は信じる事ができないくらい衝撃を受けました。
現在日本で年間に自死する人数は年間2万人を超えており、10年以上前は3万人超えていました。
一時期より自死する人は減ったと言いますが「本当に減ったのか?」と感じてしまいます。
その理由としては、私は現在心理カウンセラーとして電話相談も行っていますが、毎日朝、昼、夜問わず色々な悩みや相談を受けています。
その中で「死ぬしかない」という相談はよくあります。
まだ「死ぬしかない」という方の相談はまだ泣きじゃくって感情的になっていても話をすることができます。
その時は感情的に取り乱していても、ゆっくりと話をすることで落ち着き、何度かお電話することで「死ぬしかない」から「もう少し頑張ってみよう」と落ち着きを取り戻す人が何人もいました。
しかし私も困惑してしまうのは、年に数回はかかってくる「今から死にます」という電話です。
そのほとんどは自死行為を行いながら電話してきている人なのです。
私が行っている電話相談は完全匿名で相手の情報が何もわからないようになっており、警察や専門機関に通報する術がありません。
「今から死にます」という人は「死ぬしかない」という人と違ってゆっくり話をすることができません。
何とか落ち着いてもらおうと話をしようとしても、もう死を決断しているので今後の話をしようとしても受け入れてくれないのです。
何とか今の感情を受け止め、現状を聴き、大丈夫かどうか、誰か他に連絡はできないか位の話しかできません。
実際にその後、私にはその人達がどうなったかわかりません。
電話を切った後は、いつも「全く見ず知らずの人に自分の最後を聴いてもらおうとするのか」ということを考えてしまいます。これは私の勝手な想像ですが、最後くらいは誰かに自分のことを知って欲しい、自死を決断する自分を認めて欲しいという人の温もりを感じたいのかと感じています。
もし私が想像していることが合っているのであれば、せめて「死ぬしかない」の段階で誰かを頼ってください。
ずっと我慢していた感情や言いたいことを「迷惑をかけるから」「嫌な思いをさせるから」といって我慢せず思いきりぶつけてください。
あなたの味方になって応援してくれる人が必ずいます。
今回は心遣いアンテナの内容と少し違うかもしれませんが、心理カウンセラーとして感じたことを書かせていただきました。
もしあなたの周りに身近に悩んでいる人がいれば、その人の味方になってあげてくださいね。