観察力

今回は観察力について書いていきます。

これまでに相手のことをしっかりと観ることの大切さについて何度か書いてきましたが、今回は実際にセミナーで私が参加者の方に体験してもらっている内容を一部紹介します。

まず相手のことをしっかりと観る練習として2人ペアになってもらい相手の呼吸を観察してもらいます。
あなたは他人の呼吸を意識して観たことはあります
か?呼吸を観る大切な理由の一つ目は相手の心理状態を知る手がかりになるということです。
呼吸が浅くて速い人強い不安や焦り、緊張している状態の可能性があります。
その逆に深くてゆったりと呼吸をしている人は落ちついてリラックスした状態にあります。
あなたも落ち着こうとするときは一度深呼吸をしたりしていますよね。

二つ目の理由は呼吸を観ることで相手との呼吸を同調させることができます。
よくペアの競技では「相手との呼吸を合わせる」と言いますが相手と同じタイミングで動くには呼吸を合わせる必要があります。
また呼吸を合わせることで相手との無意識の信頼関係を築くことに役立ちます。
呼吸を観察するポイントというのは何となくはわかりますが、実際に呼吸を観察したことがある人は少ないのではないでしょうか。
また実際に呼吸を観察してみると人によってわかりやすいポイントが違ったりします。
その確認の意味でも体験してもらいます。

そして次は視線を観察する練習です。
「人と話をするときは相手の目を見て話せ」と言われますが案外相手の目を見ることは威圧感や恥ずかしさから苦手な人が結構います。
まずはペアになり全く視線を合わせないことをしてもらいお互いどう感じるか実際にやってもらいます。
その後は交互に観察する人と観察される人にわかれて視線の動きを観察し、視線を合わせる練習をします。
これもやってみればわかるのですが、ほとんどの人は視線を合わせ続けると圧迫感から視線を外すことをします。
このタィミングを見極め相手に合わせる練習をするのです。
これも相手との無意識の信頼関係を築くことに役立ちます。

最後にはそのままペアの人に何でもいいので普通に話をしてもらいます。
その時に話を聴く人は私の合図があるまで全くの無反応で話を聴いてもらいます。
そのとき相槌も頷くのも禁止です。実はどちらも非常につらい状態になるのです。
話す方も独り言のように話を進めていく必要がありますし、聴く方もついつい反応してしまいがちになります。
その時お互いの表情などをしっかりと観察してもらいます。
そして私の合図とともに聴く方の人は相槌や頷き以外にオウム返しをしたり質問を混ぜたりして相手が話しやすい聴き方をしてもらいます。
そして終了後にお互いの感想を話あってもらう流れです。
実際にこれを行うとわかるのですが、聴く方が無反応の場合間が持たないのですぐに話が途切れてしまう人がほとんどです。
その後相手が反応よく聴くのと無反応で聴くのでは実は2倍くらいの時間差を作るのですが反応よく聴いてもらう方はこちらが終了の合図を送っても会話が中々途切ないくらい盛り上がっています。
それだけ相手の反応が大事ということでしょう。

これらは相手の事をしっかりと観る練習です。
もちろん大事なことはこれだけではありません。
相手のことに興味を持ち観ることで相手の心を少しでも多く理解でき、そしてお互いの信頼関係を深めることに繋がることになるのです。
もう一度意識してみてくださいね。

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