焦点

今回は焦点について書いていきます。

カウンセリングでいろいろな人の話を聴いていると悩み過ぎている人とあまり悩まない人では焦点の当て方が違うように感じます。
ポジティブ思考とネガティブ思考といった表現をしている人も多いでしょう。
何度もこのコラムで書いていますが、どちらかに偏り過ぎることが問題であり、均等にポジティブ思考もネガティブ思考も取れれば問題ないのですが、考え方や認知の仕方にどうしても日頃のクセのようなものが自然とできてしまっている人が多いのです。
まず理解しておくべきことは、人は2つのことは同時に視ること (考えること)ができないということです。

「ルビンの壺」を知っていますか?
ルビンの壺とは背景に黒地を用いた白地の図形で、向き合った2人の顔にも大型の壺にも見えるという特徴を持つ絵です。
(イメージがわかない人は調べてもらえばすぐに画像がでてくると思います。)
この絵を見れば2つのことを同時に視ることはできないことが理解できると思います。
どちらも同時に視ようとしても瞬間的にどちらしか認識できないということです。
つまりネガティブ思考で考えている場合は、ポジティブ思考はその瞬間に考えることができないということです。
その逆のパターンも当然あります。
そうなってくると「誰がその考え方(価値観)で物事を視ようとしているのか?」ということになります。
まだ自分で判断できないような小さな子どもあれば、周りの大人や友達から考え方(価値観)を教えてもらったりしたでしょう。
しかし物事をしっかりと判断できる大人に成長しているのであればその考え方(価値観)は自分という存在しかないことに気付くべきです。
しっかりと判断できる大人であればその焦点の当て方は自分が望んでいるのかどうかを判断していく必要があるのではないしょうか?
こういう話をすると「自分にはできない」と決めつけている人が結構います。
「できない」と自分で決めているのであればきっと「できない」のでしょう。
別に自分が困っていなければいいと思います。しかし自分の考え方(価値観)のクセにより困っているのであれば焦点の当て方を変えてみるといいと思います。

まずそのための訓練としてネガティブな表現をポジティブに表現してみることです。

例を出しますので少し自分に置き換えてイメージしてみてください。
あなたは大好きな高いお酒(ジュース)を購入し、毎晩1杯ずつ飲むことが楽しみです。
しかし毎晩1杯ずつ飲むとやはりボトルの中身は減っていきます。
そこでお酒(ジュース)の量がボトルの半分くらいになった時あなたはどう考えるでしょうか?
「もう半分しか残ってない。」と考えるのか「まだ半分ある。」と考えるのかにより変わりますよね?
自分の大事なものが減ったり無くなったりというのは、何ともいえない寂しさや辛さなどのネガティブな感情が出てきます。
つまりその部分が更に大きくなってストレスや悩みを作ってしまうのです。
しかしまだ残っている部分に焦点を当てれば逆に安心感につながります。
全然違いますよね?
無いことにいくら焦点を当てても無いものは無いのです。
いくら悔やんだとしても無いのです。
あなたは無いものにいつまでも拘り続けたいのですか?
これは何に対しても同じことです。
この世は全て表裏一体の世界ですので、光があれば影があります。
同じ出来事でも考え方(価値観)により良い事にも悪い事にもなります。
他人に対しても好きな人になるのか嫌いな人になるのかも同じです。
自分が相手のどこに焦点を当てているのかにより自分で勝手に判断しているのです。
今年ももう残り僅かになりましたが、もう一度自分の焦点を意識し直してみてはいかがでしょうか。

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