読み取る力

今回はサインを読み取る力について書いていきます。

ここでいうサインは合図のサインです。
以前にもこのコラムで「表情を読む」という内容を書きましたが、サインは視覚的なことで言えば表情だけではなく体全体で表されています。このサインはノンバーバル(非言語)コミュニケーションとも言われます。
このノンバーバルコミュニケーションは非言語ですから見た目で相手の感情や考えていることを理解し、意思疎通をすることになります。
しかしこのノンバーバル(非言語)は言語のように言われた言葉をそのまま理解できるものではないのです。

例えば窓を閉めて欲しい場合、言語による表現であれば「窓を閉めてください。」と言えば言語を理解できる人であれば意志は伝わります。
しかしノンバーバル(非言語)の場合は人によって表現が違います。
人によって窓を指さし両手を合わせるようなサインかもしれませんし、体を震わせ窓を指さすようなサインかもしれませんし、目でサインするだけで窓を閉めるよう意思を伝えようとしているかもしれません。

このノンバーバル(非言語)は決まりがないからやっかいです。
皆さんがそれぞれの経験で勝手にサインを送ろうとするわけですからうまく伝わらないことがあって当然です。
1つ目の例で挙げているようなわかりやすいサインであれば意思が伝わる可能性が高いですが、極端な例の3つ目の目でサインしただけで窓を閉めると理解するのは非常に難しいことです。
このノンバーバル(非言語)を理解するためには背景を理解しなければなりません。
窓を閉めて欲しいと感じるくらいの気温が低いのか、風が強いのかなどその人と同じことを感じなければ理解できません。
その人をよく理解できている人であればこれまでの経験から、この人ならこんな時にどう考えてどういった行動を取るのだろうと予測でき、そのサインだけでその人の意思を理解することができるのです。よくつぅかぁの仲と言いますよね。
「こんな曖昧でよくわからない言語(ノンバーバル)を理解するなんてどうすればいいの?」と感じますがやはりそのノンバーバル(非言語)を少しでも理解するためにはポイントがあります。

そのポイントは知識と経験と想像の3つです。
まず知識です。ノンバーバル(非言語)にはどんな理由があるのかを理解しなければなりません。
例えば自分の前で腕を組む人がいます。腕を組む理由は深く考え事をしている時や自己防衛の状態や優位に立ちたいと考えている時など色々あります。
言葉と同じように同じ言葉でも意味が違ったりしますよね。
それと同じでその一つでも知識として抜けてしまえば勘違いした理解へとつながります。

次に経験です。
この経験は日頃カウンセリングをしていると感じることがあるのですが人間関係で悩みを持っている人は周囲の人の顔色をうかがっている人が非常に多いのです。
顔色をうかがっているという表現をしていますが結局はこのノンバーバル(非言語)を理解しようとしているのです。
つまり日頃から知らずにこのノンバーバル(非言語)を観る訓練を行っているということです。
日頃から毎日のように訓練をしているのですからそのスキルはあがるはずです。
実際にそういった人は周囲の人によく気遣う傾向にあります。
カウンセリングではその経験を悩みとして持っている人が多いですが、実はすごい経験を積んでいると考えればその経験はきっと自分の宝物になることでしょう。
経験が少ないという人は一つ目の知識を学び観るポイントを知りそこから経験を積むと近道かもしれません。

最後に想像することです。
最初の方に窓を閉める例を挙げましたが、状況を言われなくても想像することです。
その想像はあくまでも推理であって正解ではないかもしれません。
そのためその想像は一つではなくいくつかの選択肢を用意できるくらい想像しておくのです。
もし一つが外れていても2つ目、3つ目が当たればいいのです。
この3つポイントを意識することで相手が送るサインを読み取る力が違ってきます。
日頃のコミュニケーション方法をもう一度意識してみてはいかがでしょうか。

Follow me!