愛想笑い

最近のニュースである謝罪会見を見ていたのですが、その中ですごく気になったのが愛想笑いです。謝罪会見にも関わらず、笑いがちょこちょこと出てくるのは本当に不自然で仕方がありません。

今回は愛想笑いについて考えてみたいと思います。

きっと日本人であれば、愛想笑いをしたこともされたこともあると思います。「どんな時にどんな感じで笑うのか?」によってその場の空気は変わります。愛想笑いとは皆さんもご存知の通り、人の機嫌を取るための笑いです。

例えば謝罪している時に愛想笑いをする方(最近テレビで見た謝罪会見でもそうですが)がいますが、何のための愛想笑いなのでしょうか?
その場を和ませるために愛想笑いをする方が中にはいます。
しかし本当に謝罪をする気持ちがあるのであれば、その瞬間に愛想笑いは必要ありません。
自分が本当に悪いことをしたと伝え、相手に理解して頂き、納得してもらって初めて場を和ませる笑い(愛想笑い?)というスキルが必要になってくるのです。
この部分を理解していなければ、「何で怒っているのに笑っているんだ!」と逆に怒りを増幅させてしまう結果になりかねません。以前に本で読んだことがありますが、欧米で上司に怒られている時に愛想笑いをしてしまい、更に激怒されたという文化の違いが見える話もあるぐらいです。

私は愛想笑いが決して悪いことではないと思います。
少しでも場を和ませるように考えることができるのはとても素晴らしいことだからです。特に相手のことを心遣いしようとする気持ちは生半可な気持ちでできることではないと思います。
しかし、この愛想笑いが自分の状況を良くするだけのためにされる行為であれば、きっと空気が読めない人に変わることでしょう。

愛想笑いというのはスキルだと思います。どのようなスキルも同じことが言えるのですが、そのスキルを間違った使い方をしてしまうと相手や自分を傷付けてしまうものになることを十分理解し、使用していただきたいと考えております。

余談になりますが”笑う”ことと”泣く”ことはほぼ同じであることはご存知ですか?

あまりにも強烈な恐怖に襲われると笑いしか出なくなるということを聞いたことがありますが、実は脳のメカニズムが深く関係しているようです。
人間には右脳と左脳があるのは知っていると思います。その右脳と左脳には、筋肉運動をコントロールする「大脳基底核」という場所と、感覚情報を嗅覚を除いた感覚入力を大脳新皮質へ伝達する「視床」という場所があります。
“笑う”という表情を作るメカニズムは左脳の大脳基底核と視床に備わっていることがわかっています。
では右脳の大脳基底核と視床はどうなっているのかというと、実は”泣く” 表情を作るメカニズムが備わっているそうです。
どちらも同じ大脳基底核と視床でありながら、左右で正反対の感情を担っているわけです。

つまり、このことは”笑う”ことと”泣く”ことが本来同じ意味を持っていたことを示唆していると考えられるのです。
つまり”笑う”ことも”泣く”ことも、原始的には同じ脳の部位によって生み出されていたひとつのメカニズムだったと考えられています。
どうです?
これを読むと泣いている人が笑いに変わることが理解できるでしょう?

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