視線の動かし方
以前にこのコラムの中で視線解析の説明をしたことがありますが覚えているでしょうか?
簡単に説明しますと、人は無意識のうちに視線を色々なところへ動かしているが、ほとんどの人が癖のようなもので、よくいくポイントがあるということ。
そしてそのポイントにより、どんなイメージをしているのかを見極めようといった内容です。
これは相手の視線の動きに注意して見ようといった内容でしたが、今回は相手ではなく、自分の視線の動かし方をちょっと意識してみるといった内容です。
皆さんは相手と会話している時、どこを見て話を聴いていますか?
「相手の目をみて話を聴くことが当たり前だ。そうでないと相手に失礼だろう!」
なんてことを思っている人。
実は多いかもしれません。
そういった教育を学校の先生や、親、そして上司に言われたかもしれません。
だけど視線を相手に持っていった方がいいのかどうかは、相手によりけりなのです。
「何で?」
と疑問を持つ方も多いでしょう。
よくコミュニケーションを円滑にするために、
「○秒相手の目を見つめて、その後○秒目を反らしましょう。」
なんてことを書いている本などありますが、はっきりいってしまえばそんなものコミュニケーションでも何でもありません。
だってコミュニケーションというのは、相手がいて自分がどういった反応をするかによってコミュニケーションが円滑になるか、ぎこちなくなるのかが決まるのです。
ということは、目の前にいる相手の反応を無視してしまってはコミュニケーションを取るレベルでは到底あり得ないのです。
マニュアル化されたロボットを相手にするのであれば、そういった内容でも充分通用するのでしょうが、相手は生身の人間。
ましてや、考えていることや、感じていることなど人によって様々。
これをマニュアル化なんて出来るはずがありません。
では、最初の話に戻りますが、「話を聴くときにどこを見ればいいのか?」という答えなのですが、答えはありません。
といってしまえば不満に思う方も多いでしょう。
あえて答えるならば、
「相手の視線に自分も合わせる」
ことです。
視線恐怖症の方に真直ぐ相手の目を見つめ話を聴いてしまえば、相手は恐怖心や圧迫感を感じ、話をする所ではなくなります。
逆に自分に自信を持っている人には、視線を出来る限り同じタイミングで合わせてあげると更に自信を持つことができます。
あなたが話をしている時、相手に視線を外されたら
「自分の話に興味はないのかな?」
と不安を感じた経験、一度はあるでしょう?
ということは、ずっと目を見るということではなく、相手の視線に合わせて、相手が視線を外した時には、自分の視線も自然と外すといったことが最もふさわしい答えになるのです。
そんな視線の動かし方一つにも、相手を心地よくする秘訣があることを覚えておいてくださいね。