どうぞ、お先に。
今回は「どうぞ、お先に。」について書いていきたいと思います。
あるドラマで出てきた言葉「どうぞ、お先に」がとても印象に残っています。
それはある青年が賞で1位を取れず落ち込んでいた時に、餅拾いに誘われて行ったもののうまく拾えず「結局ここでも同じか。取れる人間と取れない人間がいる。俺は取れない方、取れないでもがくより取らないでやめる方が潔いか、楽だし。」とネガティブに拍車がかかっていました。
そこに、横にいたおばあさんが「ゆっくり待って地面に落ちたのを取るんだよ。下を見るのよ。チャンスは意外にも下に落ちているからね。」(本来は方言なのですがわかりやすい言葉に変えています。)と言います。
このセリフも凄く印象に残っています。
通常であればチャンスが来るであろう方向へと集中することが多いと思います。
しかしチャンスは意外な方向から意外な形で舞い込んでくることがあります。
みんなが同じ方向へ向いていてもライバルが多くそのチャンスを得ることも難しいですよね。
ビジネスでも皆と同じ発想をするよりも視点を変えることでライバルもいなかったり、またそこにはたくさんのチャンスがあったりします。
そしてその青年が、「それでも取れなかったらどうすればいい?誰か俺より上手い奴がいてどうしても餅がひろえなかったら。」と聞くとそのおばあさんは「どうぞ、お先に。人に取られたものを欲しがる必要はない。諦める必要もない。譲ってあげてもっと大きな餅を拾え。」と言い、そのおばあさんの手に持った袋にはたくさんの餅が入っています。
生きているとどうしても他人と比べてしまい、自分が負けていると感じることでそこから自己否定がはじまったりします。
別に争っていないことでも無意識に常に競争をしている人がいます。
心理カウンセリングをしていてもよく勝ち負けの言葉を口にする人がいます。
勝ち負けを気にしているという事は、ずっと目的もない勝負をずっと続けているのです。
勝負をするということは常に緊張状態が続き、その緊張状態が続くと自律神経の交感神経が優位になり、自律神経のバランスが崩れ、それが体調や心理状態に大きな影響を与えます。
そこで出てくる言葉が「どうぞ、お先に。」だと思います。
確かに勝負しないといけない場面もあるでしょう。
ただどうでもいいことまで勝負をする必要はないと気付くことです。
本当に必要な時に大切にエネルギーを取っておくことで次のチャンスや別のチャンスを得るためにしっかりと準備をすることができるようになります。
また「どうぞ、お先に。」という穏やかな気持ちを持つことで無駄な執着をしなくてすみます。
無駄な執着を無くすことでネガティブな感情を減らせることができます。
どうしても自分が不幸で他人が幸せだと感じてしまうと、妬みや嫉妬や人によっては怒りになることがあります。
自分が穏やかな気持ちになることができれば、他人の幸せを一緒に喜んであげることができるようになります。
あなたなら人の幸せを喜べない人と喜べる人だったらどっちの人と付き合っていきたいですか?
ほとんどの人は人の幸せを喜べる人と一緒にいたいと思いますよね?
自分の気持ちが穏やかに変わることで今までと違った人間関係が構築され違った世界を体験できるのではないと考えます。
必要ない勝負をしていると感じたら「どうぞ、お先に。」と心の中で呟いてみてくださいね。