クッション言葉

今回の内容は「クッション言葉」について書いていきます。

皆さんはクッション言葉というのをご存知でしょうか。
マナー研修では当たり前のように出てくる言葉なのですが、クッション言葉とは言葉の前に添えて使用する言葉で、相手に何かお願いをしたり、お断りをしたりする場合などによく使われます。

代表的な言葉として、恐れ入りますが・申し訳ございませんが・失礼ですが・早速ですが・あいにくですが・差し支えなければ
・お手数をおかけしますが・できましたら・今よろしいですか・申し上げにくいのですが・もしよろしければ・お言葉を返すようですが
・確かにその通りだとは思いますが・等々・・・
たくさんあります。

ここで私が考えるのは、相手の反応を伺うことをせずに「クッション言葉さえ使っていれば大丈夫!」ということにはならないということです。
特にお断りをしたり、反論したりするときにこのクッション言葉を使ったとしても、相手との信頼関係が出来ていなければ逆に相手に不快感を与えるだけです。

そのためにはまず相手の感情や状況をしっかりと受け止めることが大事になってきます。
私が印象に残っている言葉で「サービス業で「No」で始まるサービスはない。
どんなことがあってもお客様の要望は「Yes」で受けるのが基本である。」
という言葉です。
いきなり相手を否定(No)してしまうと相手はまず対立の立場を取ってしまうということです。
一旦対立してしまえば、まずはその対立したところから信頼関係を築き直す必要が生じますので、それだけ余計な手間と時間がかかるのです。

そうは言いながらも勿論お客様が全て正しいという状況ではなく、お客様が勘違いしていることもあるでしょうし、間違っていることもあるでしょうし、無理な相談もあることでしょう。
そんな時も否定(No)はダメなのかと言うと、やはり否定(No)はダメです。
ではどうするかといえば、一旦受け入れる(Yes)ことが大事になるのです。
まずはお客様の意見を受け入れ、お客様の状況や感情を正しく理解してあげることです。
そこを理解しなければ、お互いの自己主張が続きお互いが納得できる状態に繋がりません。
ではそのために自分の意見を言いたい場合は、「Yes、But・・・」(お客様の言いたい事は十分理解しましたが、私どもの対応としましては・・・)といったように繋げ、できない理由を説明したり、他のプランを説明したりした方がスムーズにいくことが多いのです。
そこには心理学でいう、返報性の法則が関係します。
返報性の法則とは、人は他人からの施しを受けた場合に、お返しをしなければならないという感情を抱くことです。
これはプラスの感情でもマイナスの感情でも同様なことが起こります。
つまり相手から否定されれば自分も相手を否定しようとしますし、相手を受け入れれば自分も相手を受け入れようとするのです。

ということを考えると、相手と良い関係を築きたいのであれば、まずは相手を受け入れ信頼関係を築きつつ、クッション言葉を活用しながら信頼関係を維持できるよう努力することが重要であると考えます。

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