顕在意識と潜在意識は、「海に浮かんだ氷山」にたとえられます。水面から突き出している部分が顕在意識、水面下に隠れている部分が潜在意識です。潜在意識の占める部分の方が圧倒的に大きく、全体の約9割を占め、しかもその部分は当の本人にもはっきり自覚できないものなのです。 |
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顕在意識とは、決意したり、判断したり、選択する心の領域であり、望ましいこと、望ましくないことを識別する能力を持っています。悩んだり、不安になったり、願望を持ったりします。 |
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潜在意識とは、過去における考えや、心構えや、欲望の大きな貯蔵庫で、その数百万にのぼる整理棚には毎日の生活の中で、読んだこと、聴いたこと、観察したこと、受けた印象、考えたことが貯蔵されています。潜在意識は創造的な洞察力や、直観力の無限な宝庫です。 |
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潜在意識は、本質的に自在に発揮できる力をもっています。この無限の力は顕在意識としての心が表面に出ている場合には、それに制約され十分に発揮されませんが、非常事態に直面した場合などには、顕在意識は背後に後退し、かわって潜在意識が思う存分にその力を発揮することになります。それが一般的に言われる、「火事場の馬鹿力」です。 |
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潜在意識は目が覚めているときでも、眠っているときでも24時間休まず活動しています。例えば、われわれが眠っている間にも、心臓の鼓動、呼吸、食物の消化、新陳代謝、ホルモンの分泌など、体の機能を絶え間なく動かし続けてくれるのも潜在意識の働きによるものです。 |
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潜在意識は批判、判断機能をもたず、与えられたものをそのまま受け取り、そのまま蓄積していきます。また現実と想像を区別することがなく、倫理時間空間の影響を受けることがありません。また睡眠中の夢、ひらめき、直感などを生み出します。 |
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潜在意識に語りかける最もよい状態とは、朝床の中で半睡の状態になっているときや、夜床について眠りに入ろうとする直前、そして催眠状態などです。催眠状態に誘導された場合に、最も典型的に表れます。催眠状態に誘導された人は、意識がないわけでも、眠っているわけでもなく、意識的に自分に話しかけられた話を聞いたり、理解することが出来、考えたり理屈づけたりする能力を保持しています。
しかし、催眠中の潜在意識は、より暗示を受けやすくなり、潜在意識と直接コミュニケーションをとることが最も容易になります。 |