互恵性

今回は互恵性について書いていきたいと思います。

互恵性という言葉はあまり聞きなれないかもしれません。互恵性とは辞書で調べると「互いに特別な便宜や利益を与え合うこと。(互恵)」とあり、互恵性とはお互いが他社の行為に対して何らかの形で報いることです。
互恵性という言葉よりも返報性の法則といわれる方がわかる人もいるかもしれません。
人は相手から何かを受け取ったときに「こちらも同じようにお返しをしないと申し訳ない。」という気持ちになる心理効果のことです。

カウンセリングをしていると互恵性の考えを持つことが心に負担になる人がいます。
「何かをしてもらったら何かそれに見合ったものを返さないといけない」と考えてしまうのです。
そうなると仕事で困ったときに誰かに助けてもらったり、他の人に負担をかけたりしてしまうことで「あの人に悪いことをしたな。でも何も返すことができない。」という思考が最初から働き「人に頼れない」「甘えられない」という気持ちから、自分ひとりで何とかしようとするものの状況がより悪化してしまうループに嵌り抜け出せない人がいます。

確かに好意に対し、「何も返さないのは相手に対して失礼だ」と考えたくもなるでしょう。
しかし同じ対価で返さないといけないというルールは存在しません。
どうしても互恵性の負のループに迷い込まれた人がいるのであれば、ここで少しでも互恵性の縛りから解放されるように自分の中の考え方を少し変えてみてはいかがでしょうか。

まずは相手が自分のしてあげたことに「何も返さないなんて常識がない奴だ」と考える人ばかりではないとことです。
本当に困っている人がいたら、無償の愛で見返りを求めることなく相手のために尽くしてあげたいという人も存在するのです。
そういうタイプの人は自分が人の役に立てたという満足感でいっぱいになります。
だからといって限度なく求めすぎてしまうのも問題ですので、どこまで頼っていいかは意識していく必要がありますが、身近な人にそういった無償の愛情を注いでくれるような人がいるだけでも心強いものです。

次に返す必要性があるのかどうかです。
返す必要性がないものをいつまでも自分の中で勝手に負担にせず、「ラッキー!ついてる!」と切り替えて考えるようにすることです。
こういったことを言うと必ず、「私にはできない」と勝手に自分を決めつけてしまう人がいます。
これまでそういった考えの習慣を作ってこなかっただけなので新たな習慣を作ることを意識しましょう。

そして同じ対価ですぐに返す必要はないと考えることです。
先ほどの仕事で困ったときに助けてもらうというケースで考えると、あなたが誰かを頼り問題を解決することであなたの仕事の効率はあがり、またその出来事が成功体験として仕事に対する意欲もがもっとあがるでしょう。
そうなると必然時に助けた人の仕事の負担は減りお互いにとってメリットとして現れるのです。
それで十分お返しができたことになりますよね?

必要のない互恵性を持つことであなたの行動は制限され、可能性を狭めていることになっていないかもう一度意識してみてはいかがでしょうか?

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