おもてなし

今年の流行語になるかもしれない「おもてなし」という言葉について書いていきます。

似たような言葉でサービスという言葉があります。
サービスの語源はラテン語でservitus(servus+itium 名詞語尾=奴隷の状態)からきています。
その語源の通り、「奉公」「屈従」などの意味合いを持ち「奉仕する、給仕する」といったように、提供をする側・される側に主従関係が発生します。
つまりサービスは誰に対しても等しく公平に行われるもので、サービス業であればマニュアルを作成し、皆が同じサービスを行うことができます。

しかしおもてなしとなるとサービスとは異なってきます。
おもてなしと同じように使われる言葉でホスピタリティという言葉があります。
ホスピタリティの語源はラテン語でhospcs(客人等の保護)です。

英語の病院(Hospital)と同じ語源となっています。
意味としては思いやりや心からのおもてなしといったところでしょう。
つまりその人だけに対して行われるもので、おもてなしを受けた人は特別感を感じるのではないでしょうか。

おもてなしという言葉が話題になったとき、ここぞとばかりにテレビでおもてなしについて取材を行っているのを目にしました。
そこで出てきたのは旅館の女将さんのおもてなし。
詳しい内容は覚えていませんが、お客様を部屋に案内したときにお客様に声がけをし、何気ない話題の中からお客様の要望などをそれとなく聞き出しその要望に応えるといったもの。
もちろんそういった声がけをわずらわしく思うお客様もおり、そういったお客様にはお声がけを控えるといった内容だったと思います。
これがサービスとなれば、誰に対しても等しく公平に行われるため、するかしないかといった様になります。

おもてなしには、目配り、気配り、手配り、見配りといったお客様の状況を素早く察知する能力が必要になるのです。
以前にもコラムで「お客様の期待を裏切らなければならない。その期待を裏切るのはもちろんお客様の期待以上のことをすることだ」と書きましたが、まさにそれこそがおもてなしのことです。そのおもてなしによってお客様に感動と余韻を与えることができるのではないでしょうか。

自分の大切な人に「今何が必要で何を望んでいるのかを少しでも知り、やってあげたい」と思う心を他の人に広げることでおもてなしの心が広がるのではないかと思います。

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